施工例・開発ストーリー

DEVELOPMENT STORY開発ストーリー

NS型ネオスパン

ニチハの窯業系サイディングの表面意匠を、金属サイディングへの横展開するのにとどまっていたなか、金属素材の持ち味であるシャープさを演出する商品が望まれていました。ニチハとの営業統合から数年。インパクトある商品を世に送り出すプロジェクトが始動しました。

NS型ネオスパン

シャープな意匠性と高い機能性の両立を目指す。

2014年頃の金属サイディングの商品開発は、タイルの割肌や石肌を表現したデザインや、木目柄を再現したデザインなど、すでに窯業系サイディングでの実績がある表面意匠が中心でした。また、金属の質感を活かした商品として、凸部の幅が凹部に比べて広いスパン柄がありましたが、さらにシャープさを増し新築住宅の付加価値となりえるような角波デザインの開発機運が高まっていました。課題は意匠性の向上だけではありません。チューオーとして初の試みとなる45分準耐火の防火性能、業界に先駆け環境を意識したノンフロンのHFO処方のヌレート芯材、耐候性の高いフッ素樹脂を塗布した表面鋼板を採用し、当社の主力商品となる新商品開発を目指しました。

30代の若手社員が中心となり、議論と検証を重ねる。

開発にあたっての難題は、高い防火性能に寄与できる嵌合(連結部)形状でした。嵌合形状は単に意匠の一部分ではなく、性能を担保することが必須条件になります。当時は最終的な生産にロール成型機を用いていました。試作段階では設備を発注する前に、ある程度形状の妥当性について当たりをつけなくてはロール成型機を作り直すことになり、無駄なコストが発生してしまいます。
そこでロール成型機なしで形状評価をするために考えたのが、プレスブレーキを使っての寸法形状案の事前検証でした。カラー鋼板は加工のスピードや力加減、曲げる順番によって、表面塗膜の割れなどを招いてしまいます。

当時開発に携わっていた30歳前後の若手社員が中心となり、トライ&エラーを繰り返しながら議論と検証を重ねていきました。

NS型ネオスパン

ライン生産を想定した試作品製作はトライ&エラーの連続。

コントラストをより強調し、シャープに見せる角波形状の凹凸の配分・比率、立ち上げ角度や加工手順が検討され、いよいよ形状が決定しました。しかし、ここからが本番です。本番のロール成型機が納入されるまでの間に、決定した形状が耐震性能、断熱性能、遮熱性能、遮音性能、耐凍害性能など各種性能を満たしているか先行して確認するフェーズに進んでいくからです。短尺に切った鋼板を1枚1枚プレスブレーキで図面通りに手作りし、できあがった鋼板をひたすら繋いで生産ラインに投入し、芯材を注入。ライン生産を想定した条件で試作品を製作していきました。また、ロール成形機が納入された後も、嵌合部分の形状出し、意匠凹凸面の形状出しに多くの労力と時間を費やしました。

非住宅分野へも販路を広げ、主力商品へと成長。

NS型ネオスパンの開発は社運を賭けた一大プロジェクトであったため、通常より長い約1年半の開発期間がかかりました。
そして2016年7月。NS型ネオスパンの発売にこぎつけることができました。開発部として総力を挙げて取り組み、ほとんどの開発部員が試作品製作で現場へ張り付いていたため、当時は開発部のデスクに座っている者が見あたらなかったほどでした。また、課題解決のために奔走してくれた社内外の関係者の協力があっての商品リリースでした。

現在、NS型ネオスパンはチューオーの主力商品となり、住宅はもとより、店舗などの非住宅分野へも販路を広げることに成功しました。

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